変圧器の基本動作を理解する①
変圧器を理解するために、動作を順を追って解説してみる。
実際にこの順番で動作している訳ではないと思うが、理解しやすいと思う。
普通の電源用変圧器を使用する場面を想定する。
目的は電圧を変換するためであり、それが次の順で行われていると考える。
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1次電圧を加える
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1次コイルに電流が流れる
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電流がコアに磁束を作る
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磁束が2次コイルに電圧を発生させる
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2次が回路的に閉じている場合、2次電流が流れる
- 2次に電圧が得られる
順番に解説していきます。
1.1次電圧を加える
変圧器の1次コイルに交流電圧を与える現象について考える。
2次コイルは開放状態で。
変圧器とは磁性体のコアにコイルを巻きつけたものである。
コイルとはインダクタンスLという値を持ち、Z=jωLのインピーダンスになる。
コイルが磁性体のコアに巻かれるのはコイルの内側を通る磁束を大幅に増やすためである。
コイルを通る磁束数ΦとLとの間にはΦ=L(インダクタンス)×I(電流)という関係がある。
つまり、コイルにコアを通すとLが増えて、磁束が増える。
変圧器に電圧の変換などを求めず、ただ電圧をかけるというだけの部品と見れば、それは単なるコイルである。
変圧器をただのコイルとして見れば、1次電圧を加えるということがどういうことか、容易に想像がつく。
コイルに電圧をかけているだけである。
そのコイルのインピーダンスに応じた電流が流れる。
変圧器を理解する上での、初っ端の大基本はこれである。
まとめ
変圧器なんて、ただのコイルだ。
続く