変圧器の変圧比
変圧器の機能は電圧を変換することです。
その変圧比は巻数によって決まります。
一次巻数N1に対して二次巻数がN2であるとき、一次:二次の電圧比はN1:N2になります。
単純な比により電圧が決定でき、電気回路の入門書などでもこの関係は説明されています。多くの人がこの関係を知っていると思います。
少し踏み込んで考えてみます。
変圧器を構成するための巻数とは、所望する変圧比を達成するためにはどんな値でもいいのでしょうか。
AC100Vの電圧を1Vに変換するためには一次巻線100T(ターン)、二次巻線1Tの変圧器を作ればいいのでしょうか。
(ここから先はまだブログにて説明してない内容が多々出現するため後日修正予定)
変圧器の電圧、周波数、巻数、コアの磁束数には以下の関係式があります。
(式の導出は後日する予定)
E:電圧(実効値) f:周波数 N:巻数 Φ:コアの最大磁束数
N1:N2=100T:1Tの変圧器を考えます。
周波数は50Hz。
一次側にて値を代入してみると、
E1=√2π x f x N1 x Φ
100 = 4.44 x 50 x 100 x Φ
Φ = 0.0045 Wb
という訳で磁束数が求まります。(二次側で計算しても同じ)
磁束数Φ、磁束密度B、コアの断面積Sに次の関係式があります。
B = Φ / S
電源トランスなどでは、よく珪素鋼板というコアが使われ、その磁束密度は1.3~1.5Tesla(テスラ)です。(多分。。。)
1.5 = 0.0045 / S
S = 0.003 m^2
この断面積は大きいのか?小さいのか?
一辺の長さは、
√0.003 = 0.054m =5.4cm
やや大きいですけど、現実的な大きさですね。
巻数はテキトーな値ではダメという例を出そうと思って計算を始めましたが、
なんか思惑と違って、現実的な値になってしまいました・・・。
まあブログのタイトル的に、これは勉強していく過程を記録するブログでもあるので、せっかくなので公開します。
もっとちゃんとした記事が充実してきたら削除しようと思います。
変圧器・変流器とは
変圧器・変流器とは、まずは偉大なるWikipediaから引用させて頂くと、
以下、Wikipediaから引用。
変圧器(へんあつき、transformer、Voltage converter)は、交流電力の電圧の高さを電磁誘導を利用して変換する電力機器・電子部品である。変成器(へんせいき)、トランスとも呼ぶ。電圧だけでなく電流も変化する。
交流電圧の変換(変圧)、インピーダンス整合、平衡系-不平衡系の変換に利用する。
計器用変流器(けいきようへんりゅうき, 英語: CT, Current Transformer)は、交流電流計の測定範囲拡大に使われる計器用変成器である。電流変成器やカレントトランスともいう。JISにおいては単に変流器と呼ぶ。これは変圧器と異なり、変流器は専ら測定に用いられ、「計器用」の語がなくても誤解がないためである。以下、この記事において変流器という。
引用終わり。
簡単に説明すると上の文で十分だが、少し説明を加えておきます。
変流器については書いてあるように、主に測定用に使用されるもので変流器=計器用変流器と考えて問題ない。対して変圧器といえば、電源用変圧器であれば測定ではなく電圧の変換のためのものであり、測定用は計器用変圧器である。傍から見ればどちらも同じ変圧器ではないかと思われるだろうが、メーカーなどでは完全に分けて扱っている。私の場合は変圧器と言われれば電源トランスを思い浮かべるし、VTと言われれば計器用変圧器を思い浮かべる。
私がこのブログで学習していきたい変圧器とは以下のような仕様のものである。
- 周波数:50・60Hz
- 一次電圧:1~400V程度
- 二次電圧:0.1~1000V程度
- 容量:100VA程度まで
- 大きさ:大きめのサイコロ~食パン1斤くらい
- 重さ:重いもので30kg程度
要は、低圧用の変圧器です。
まとめ
- 変圧器・変流器は交流の電圧電流を変換するために使う
- 変流器=計器用変流器
- 変圧器≒計器用変圧器。変圧器の用途は様々。呼び方も様々。
- 低圧用のものを扱います。